2023-03-03
![歯の根の治療 根管治療について](/wp-content/uploads/complete-recovery004.png)
根管治療って歯のどこの治療?
『根管治療』という言葉を歯医者さんで聞いたことがあるかもしれません。
歯における根幹(こんかん)とは一体何を指すのでしょうか。
そして根管治療とはどのような治療なのか解説していきたいと思います。
★根管とは?
根管とは歯髄(しずい:歯の神経のこと)の入っている歯の内部を指し、
神経や血管などが通っている部屋を指します。
歯髄の役割は栄養や水分を歯に供給することです。
ここに虫歯の原因菌が入り込むと、歯がズキズキと痛くなってしまいます。
怖いことに菌が入ってしまい痛みが出てから放っておいても自然治癒することはなく、
そのまま放置していると、
神経や血管が死んで細菌が歯の中で繁殖していってしまいます。
さらにその細菌が歯の根っこの先端から骨の中に出ていき、骨の中で炎症を起こします。
★根管治療とは?
では根管治療とは、どのような治療なのでしょうか。
根管治療(根治)とは、
細菌が入り菌に侵された根管内の神経や血管を除去することで、
歯や口内の痛みや腫れなどの症状を取り除く治療です。
取り除いた後に薬剤を充填し補綴物を装着することで、歯の根を残します。
根治の流れ
①虫歯菌に感染した部分を取り除く
重度の虫歯で歯の内部にある歯髄にまで達している場合は、
まず虫歯に感染している歯質から取り除いていきます。
少しでも多くの健康な歯質を残すため、丁寧に治療を進めます。
②ファイルで根管形成・清掃
ファイルと呼ばれる専用器具を使用し、
根管内部の細菌に感染した神経や血管などを除去します。
根管内部は複雑な形をしているため、
取り残しや内部を傷つけないように注意しながら、根管の形成を行います。
③根管を殺菌洗浄
根管内の汚れを殺菌効果の強い薬剤を使用して洗い流します。
感染物質やファイルなどで削った感染歯質が根管内部に残らないように、
薬剤を使用して治療します。
細菌が根管に少しでも残っていると再発のリスクが高くなってしまうので、
ここでも慎重な処置が必要です。この治療の流れを3~4回繰り返します。
④根管充填
きれいに根管内が洗浄され細菌の徹底除去が終われば、
前回の治療から一週間前後あけ、
症状の確認を行い、根管の内部に人工物を詰めて空洞を埋めていきます。
これを『根管充填』と言います。
ここでは膿などの炎症がないことを確認します。
根管内部に細菌の繁殖場所を残さないように、
隅々まで専用の薬剤を用いて埋めていきます。
⑤支台築造
神経の処置をした歯は、
大きな穴が開いていたりするため、
接着性のあるセメントを流し込んでいきます歯を補強します。
セメントが硬化して根管の封鎖を確認したら、
最終的な被せ物を作製していくための土台を作っていきます。
⑥仕上げに被せ物を装着
きれいになった根管に土台を入れ、人工歯を被せます。
歯の内部に細菌が再侵入しないように、
土台となる歯に被せ物を作っていきます。
被せ物が完成後に装着して咬み合わせが合っているかの確認、調整を行い、
治療終了です。
根治で使用する器具の紹介
・ラバーダム
![](/wp-content/uploads/IMG_2018-1024x1014.jpg)
ラバーダム使用中
細菌が多く存在する口腔内環境で、治療する歯のみを
隔離する事ができるゴム製のシートです。
洗浄して綺麗な状態の根管内に唾液が侵入するのを防ぎます。
また治療に使用する小さな器具が口腔内に落下するのを防いだり、
薬品などの付着も防止します。
根管治療の必需品として欠かすことのできません。
・マイクロスコープ
![](/wp-content/uploads/F4A8462-1024x683.jpeg)
マイクロスコープ
精密な治療を行うため、マイクロスコープという機器を利用します。
歯科用顕微鏡ともいわれ、
肉眼よりも最大24倍視野を拡大することができます。
マイクロスコープを使用することによって、
肉眼では見えないような細かい部分の見落としをなくし、
丁寧に、より正確な処置が行えるようになります。
最後に
今回は根管治療の意味や流れをご紹介しました。
歯の神経を抜くと一言で言っても
どんな治療か詳しく分からないまま治療が進むのは
患者様を不安な気持ちにさせてしまうこともあるかと思います。
また、歯の神経を抜く治療をしたことがある方は
ご自身の歯がどんな治療を受けたのか
詳細に知ることができたのではないでしょうか。
当院では患者様との対話をとても重要であると考えておりますので、
治療前、治療後に気になったことや不安な点はお気軽にご質問くださいませ。
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