親知らず(智歯)抜歯による合併症

親知らず(智歯)抜歯による合併症

 

 

 

親知らず(智歯)抜歯による合併症

①抜歯時に起こりうる合併症

・埋伏歯に近接する歯の損傷や脱臼

・埋伏歯の一部残留

・埋伏歯周囲の歯槽骨の骨折や軟組織外傷

・エアータービン使用による皮下気腫

・不安な気持ちや緊張による術中気分不良

 

 

② 抜歯後にみられる合併症

・術後出血

・術後疼痛

・術後感染

・内出血、腫脹

また、※ドライソケットと呼ばれる傷口の骨が露出した状態になると術後の痛みが長引くことがあります。

 

 

③下顎智歯抜歯のリスク

・下歯槽神経(顎の中を通る感覚神経)の損傷

 術後に唇や舌の痺れや麻痺などを引き起こすことがあります。

・下歯槽動静脈損傷による出血

 そのため、術前にレントゲン写真等で細かく精査する必要があり、CTによる3次元画像を撮ることもあります。

・埋伏歯の口底組織への迷入

・顎関節の脱臼

上顎と比較し、下顎のほうが抜歯後に腫れや痛みが出ることが多いです。

また、腫脹により一時的に開口障害が起こる場合があります。

 

④上顎智歯抜歯のリスク

・上顎洞への穿孔

・埋伏歯の上顎洞内迷入

抜歯窩(ばっしか:歯の抜けた穴)が上顎洞と交通した場合には、血液、水、空気などが鼻から漏れたりする場合があります。

ただし、基本的には、自然に封鎖することがほとんどです。

 

※ドライソケットの病態 

ドライソケットについて簡単に解説したいと思います。

通常、抜歯窩は抜歯後に

血餅期(けっぺい:血液が凝固したもの)→肉芽組織期→仮骨期治癒期(成熟期)

を経て、正常な治癒に向かいます。

ドライソケットは、この治癒経過のうち、最初の過程である血餅期に障害を受けることで生じます。

以前は血管収縮薬を含む局所麻酔薬の使用過多や過度の含嗽(がんそう:うがい)が原因と言われてきました。 

しかし、現在では骨の硬化があり、血流が十分でない抜歯窩や過度の掻爬洗浄(掻いてきれいにすること)を行った

抜歯窩に出現しやすく、抜歯時の大きな侵襲と急性炎症、

それに加えて抜歯後の感染が加わることにより、

局所の線溶(線維素溶解)現象が亢進し、抜歯窩に血餅が生成されずに抜歯窩壁の歯槽骨が

露出した状態になったものと解釈されています。 

 

 

抜歯後の注意点

抜歯後は安静にすることが大切です。

当日は激しい運動や入浴、飲酒は控えて下さい

血行がよくなると出血が起こる原因になります。

 

抜歯窩には、血餅という血の塊ができます。

これは、抜歯により露出した歯槽骨を守る役割があります。

血餅が脱落してしまうと、治癒に時間を要したり、術後合併症を引き起こしやすくなるため、

抜歯後に強くうがいをするのは避けて下さい。

 

 抜歯後の喫煙もできる限り控えて下さい。

タバコに含まれている有害物質が血行を妨げて、創傷治癒の遅延を引き起こします。

また、免疫機能の低下を招き、感染症を引き起こす危険性があります。

 

◎術後出血

抜歯後に少量の出血が見られるのは、異常ではありません。

唾液に血液が混じる程度の出血が、

抜歯の翌日くらいまで続くのは心配いりません。

 

出血がなかなか止まらないときは、

清潔なガーゼを折り畳んで抜歯窩に当て、15~30分程度しっかりと噛んでください。

それでも出血が止まらないときは、歯科医院を受診しましょう。

 

出血が止まらないときには、局所的な原因全身的な原因が考えられます。

局所的な原因で多いのは、抜歯の際に、

歯の周囲の不良肉芽組織(歯周病菌に感染して炎症を起こした組織)が

十分に取り除けていないことです。

また、歯槽骨や顎骨の骨折、歯肉の血管の損傷などでも出血が止まりにくくなります。

そこで、抜歯後の出血が予測されるような部位では、

一次閉鎖といって、縫合により抜歯窩を歯肉弁で完全に被覆しておくと、

術後出血や不快症状も少なく、傷の治癒も早くなります。

 

一方、全身的な原因では、血液や肝臓の病気のほか、

脳卒中や心筋梗塞などの治療に用いられる内服薬(抗凝固薬、抗血小板薬)の影響が考えられます。

持病のある人や使用中の薬がある人は、

抜歯前に歯科医に伝えるようお願いします。

 

◎術後腫脹

抜歯後、血液やリンパ液細胞外液の蓄積、細胞の破壊などにより

、ほとんどの症例において出現するとされています。

 

親知らずの抜歯では、埋伏の状態、被覆骨の硬さ、炎症を繰り返した回数などにより、

手術の侵襲や症状も多種多様となりやすく、

骨の切削量が多くなると術後の反応性炎症も強く現れ、

創傷治癒に影響するとされています。

 

抜歯にかかる時間と腫張との間には密接な関係があり、

手術時間が長いほど顕著な腫れが出現しやすいと報告されており、

無痛性のものと有痛性のものがあります。

腫脹に対する治療法ですが、無痛性の腫脹の時は、内出血や抜歯術の侵襲の反応である、

血液や浸出液によって腫れるため、抗生剤を投与したり経過観察を行います。

 

有痛性の腫脹の時は、抗生剤や痛み止め等を投与して、経過観察をする必要があります。

静脈内鎮静法との併用により智歯抜歯を行う場合は、術中に点滴より、

痛み止めと腫れ止めを投与することができるので、抜歯後の痛みや腫れを軽減することが可能です。

通常の抜歯時よりも痛みや腫れが少ないため、

同時に複数本の抜歯を行っても患者様のご負担を軽減することが可能です。

 

今回は親知らず抜歯による合併症をご紹介しました。

当院ではどのような治療、手術においても患者様へ正しくリスクについてご理解していただき、

治療や手術に臨んでいただくことをとても大事にしております。

抜歯に対して不安に思うことや分からないことを解消してから、安心した気持ちで臨みましょう。

親知らず抜歯についてのご相談、当院までお待ちしております。

 

 

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記事作成者:歯科麻酔科医 向井千加子